できることからはじめよう。転職会計士のはじめの一歩(vol.8)

転職してからIPOするまでの3年半の間を振り返ると、「DD(デューデリジェンス)を受け続けた期間」だと思っております。
会社の内容をさらけ出すDDは受けていて心地よいものではないですが、DDに対応する中で不足している内部管理体制上の問題点が把握できるという意味では貴重な経験だと感じています。
DDを受け続けた内容を紹介することで少しでも参考になりましたら幸いです。

3年半の被DD生活

IPOまでは最低でも
・監査法人のショートレビュー
・監査法人の毎年の監査
・証券会社の予備調査
・証券会社の証券審査
・東京証券取引所の上場審査
の調査・審査等のDDをを受ける必要があります。

私は上記に加えて
・税務調査
・リプライス株式を100%譲渡する際のDD
・株式売却後の監査法人変更に伴う遡及監査
・カチタス株式の一部譲渡する際のDD
・グローバルオファリングに必要なジョイントグローバルコーディネーターによるDD
が加わりました。

結果、ずっと資料を作成し、提出し、指摘を受けて修正。
質問を受けては回答し、その回答からさらに深堀りされるというのを繰り返し続けていたと感じています。

最初に提出する書類はだいたい同じ

DDを受けていて感じたことは、「最初に提出する書類はだいたい同じ」ということでした。
DDの目的や担当する範囲によって多少の変化はあれど、最終的には会社の基礎となる資料は結果として提出を求められることになります。
逆説的に言うと内部管理体制を整えるにあたって「会社として作成すべき資料」のベースになるということだと感じています。

求められる資料の段階のイメージとしては
・予備調査やショートレビューの際には「色々求めてもできていないことが多いので基礎的な資料」から提出を求め
・審査の段階になると「基礎的な情報はⅠの部のドラフトに記載されているから基礎的な資料は求めない」+「より深掘りするための資料を求める」
という風に変化していったと感じています。
※M&AのDDは「リスクを調べるためにシラミつぶし」という印象でした。

最初に提出する資料まとめ

最初に求められた資料をまとめてみました。
上述した内部管理体制を整える上で「会社として作成すべき資料」になると思うので、「これ作れていない」という資料がありましたらまずは下記の書類を作成してみていただければと思います。

まとめ

IPO準備では、非常に多くの資料の作成が必要になります。かつ、毎月作成し、提出する必要がある資料もあります。
フォルダの整理整頓はさることながら、私からオススメしたいのは「データ化」です。
特に取締役会議事録等の議事録は「押印版」の原本があり、その提出が求められます。
紙での保管だけだとDDの時に本当に手間になります。全部見せるから紙の原本見て行って、と言ってもダメです。
(最近はわかりませんが)証券と東証の審査は「印刷×3部(提出用・証券保管用・会社用)」が必要になるのでPDFからの印刷が楽です。

毎月の作成後にPDF化していれば手間が少なくなり、結果として将来のストレスも軽減されます。
原本はすぐにPDF化するというのを是非ご検討ください。

以上、DDを受け続けた振り返りの内容を紹介させていただきました。
少しでも参考になりましたら幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。
過去のアーカイブはこちらからご覧ください。

コメントを残す